(Z)【茶器/茶道具 茶入(お濃茶器)】 摸 山桜 中興名物 瀬戸渋紙手 笹田有祥作 仕服:吉野間道

【足利義政から千利休に伝来する記録の明確なものから選定】
名物には「大名物」と「中興名物」などと呼ばれるものがあります。
この基準は、江戸時代の大名茶人、松平不昧が茶道具の体系的な整理を目指して著した『古今名物類聚』で述べた分類法のようです。
そこでは、千利休の時代以前の名品を「大名物」と呼び、江戸時代の大名茶人の小堀遠州の鑑識によるものを「中興名物」と呼び習わしています。
中興名物
小堀遠州時代、彼自身が瀬戸窯に限らず独自の調査・鑑定により新作のうち特に優れたものを選出し古歌から歌名をつけ、仕服・牙蓋にも「好み」を取り入れた。

茶入 摸 山桜 中興名物 瀬戸渋紙手 笹田有祥作 仕服:吉野間道

伝来 三井家-藤田家
山桜の名は、茶入の景色に因んで、小堀遠州が命銘したものといわれている。釉色はこの手の名のとおり渋紙手であるが、半面光沢を帯び、半面かせている点が見所である。胴に三本の堅篦がみられ、また共釉のなだれもあり、この両者があいまって味のある景色をなしている。

【笹田有祥(本名 仁史)】
1952年昭和27年 京都に生まれる
1972年昭和47年 京都私立工業試験陶磁器技能者養成所卒業
1973年昭和48年 手塚 央 氏に師事
1975年昭和50年 独立。登り窯にて唐物茶入の写しを中心に作陶
1996年平成08年 京都市北区西加茂にて工房を建て、茶道具の製作
 現在に至る

茶入れって?

  • 茶入は濃茶を入れる器です。

<種類(形)>

  • 君台観左右帳記(くんだいかんそうちょうき)には「抹茶壺図形」という19種類の名称で書かれています。
    現在では19種類に加え、様々な形の物が作られるようになりました。
  • 主な形
    ・肩衝茶入(かたつきちゃいれ)・文琳茶入(ぶんりんちゃいれ)・茄子茶入(なすちゃいれ)・大海茶入(たいかいちゃいれ)・丸壺茶入(まるつぼちゃいれ)

<蓋の種類>

  • 掬蓋(すくい)・一文字蓋・瓶子蓋(へいし)・盛蓋(もり)落込蓋(おちこみ)・玉堂蓋(きょどう)・栄螺蓋などがあります。
  • 主には茶入の蓋の材は象牙といえます。
  • 象牙は俗言で毒を消すと言われています。また、金にも毒を消す効果があるといって蓋裏に貼って用います。
    「共蓋や角、唐木の蓋などもありますが、濃茶入にはつかいません。」
    瑕(きず)のようなすがあるものがあり、利休はこれを景色に見立てたといいます。
    (現在では象牙の替わりに、ラクトなど、樹脂製の物や木製などが使用されています)

<茶入いろいろ>

  • 茶入れには中国製の唐物や日本製の和物や東南アジアで焼かれた島物があります。
  • 和物茶入には、瀬戸・高取・信楽・志野・鼠志野・織部・唐津・朝鮮唐津・膳所・丹波等があります。
  • 和物茶入のはじまりは、瀬戸茶入で、唐物茶入倣って瀬戸で焼かれた茶入です。

<茶入の見どころは>

  1. 茶入の形成は口造り・銅の表情(釉なだれ・釉露・釉際)・銅紺があります。
  2. 糸切のいろいろ
    形成した器を轆轤(ろくろ)から糸を使って離すときに底にのこる渦状の細い線のこと
    (形でなどで作られる物もあるため、糸切がない物もあります)
    • 唐物糸切は左回り糸切(逆糸切)
    • 和物糸切は右回り糸切(順糸切)
    • 他に渦糸切・刀糸切などの同心円の糸切

<仕服>

  • 仕服は茶入や薄茶器・茶碗など道具の保護のための袋を指します。ここでは茶入ための袋です。
  • 仕服は底の丸い部分と銅の部分は二つの合わせ裂に裏地を縫い合わせ、それに併せて緒とつがりで構成されています。

サイズ約直径6.8×高9.5cm
素材蓋:象牙
作者笹田有祥作
木箱
  (有岡・45900)